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Case Study & Interview

留学先のニューヨークで訪問した
オフィス・ウロロジストの姿にあこがれ抱く

中村クリニック泌尿器科中村 薫 院長

  • 泌尿器科

留学先のニューヨークで訪問した オフィス・ウロロジストの姿にあこがれ抱く

近年、急速な駅前開発により商業施設が立ち並び、横浜方面はもとより東京方面へのアクセスも良好とあって、連日家族連れやビジネスマンで賑わうJR川崎駅(神奈川県川崎市)。ここ川崎駅から徒歩2分という好立地にある「ミューザ川崎シンフォニーホール」は、川崎市が目指す「音楽のまち」の拠点施設。今年5月、このミューザ川崎の2階フロアに泌尿器科を標榜する中村クリニック泌尿器科がオープンした。

院長は、今年3月まで川崎市立川崎病院泌尿器科部長を務めた中村薫医師。1979年に慶応義塾大学医学部を卒業して以来、泌尿器科として25年以上の臨床経験をもつ中村医師であるが、開業を考えるようになったのは、意外にも今から20年も前に遡る。

「1985年にアメリカのニューヨーク医科大学に留学したのですが、そこで泌尿器科ボード(専門医資格)を持つ開業医を訪問する機会がありました。マンハッタンでセントラルパークに隣接するビル等にオフィスを構え、洗練された診察空間で紹介患者さんを、それも一人ひとりにじっくりと時間をかけながら診ていくんです。オペが必要になれば、提携先の病院で手術をし、退院後は再び自分のオフィスで患者さんをフォローしていく。その様子をみて、将来、自分もその様な泌尿器科医師になりたいと強く思いました」(中村医師)

患者の話を丁寧に聞き取り、病気だけでなく、「人」そのものを診る。そんなホームドクターのような存在に憧れを抱いた中村医師。しかし、当時の日本では泌尿器科医に率先してかかる患者の数は少なく、泌尿器科単独で開業するには経営的に難しいだろうと、「現実的には60歳ぐらいになって、手術をしなくなった時点で開業を考えようと思っていた」と振り返る。

紹介物件に一目惚れしその場で開業を決意

そんな中村医師に大きな転機が訪れたのは、昨年11月のこと。すでにミューザ川崎で開業していた知り合いの内科医に、「2階に空テナントが出た」と声をかけてもらったことがきっかけとなった。

「実際にテナントを見に行って、即決です。こんなに環境に恵まれた場所にはもう二度と出会わないと思いました。というのも、勤めていた市立川崎病院からは徒歩圏内ですし、川崎市幸区は川崎市のなかでも人口が急増していて非常に勢いのある街。何より、真新しい音楽ホールのなかの診療所というのが、かつてニューヨークで見学したオフィスと重なり、自分が描いていたイメージ通りだと感じたからです」

こうして当初の予定より早めの53歳で開業を決めたという中村医師。とはいえ、勤務先の病院では責任ある泌尿器科部長のポジションを任され、準備に専念することは難しいことから、実質的な作業については前出の内科医の紹介で、メディットにサポートしてもらうことにした。

「メディットは実績もあるし、何より紹介してくれた先生が"ダメなことはダメと的確なアドバイスをくれる"と大きな信頼を寄せていたので、それならとお願いすることにしました」(中村医師)

資金調達やスタッフ確保も問題なし唯一苦労した内装も満足の仕上がり

開業にあたっては、川崎や横浜、東京で泌尿器科を開業する医師のもとに週末に中村医師自らアポイントをとって見学に訪れた。「開業の先輩の先生方からは早くて3年、遅くても5年もすれば経営は安定するとアドバイスをもらいました」と中村医師。早速メディットに開業した場合のシミュレーションをかけてもらったところ、患者層や競合などを判断したうえで、経営が軌道にのる場所であることが判明し、開業の決意は一層固まった。

「それからというもの、メディットが決めたスケジュールどおり、スムーズに作業が進みました。僕自身は今年3月まで病院に勤めていたので、打ち合わせはいつも夕方以降でしたが、密にメールや電話で連絡を取ってもらったので、苦労したという気持ちはありません」

資金調達も順調で、医師信用組合から長期低金利の資金援助を受け、レントゲンやエコー、内視境、電子カルテなど最低限必要な医療機器はリースで取り入れることにした。結果、開業資金として、トータル6500万円を要したものの、自己資金を含め資金調達には何の問題もなかった。

スタッフについては以前、一緒に勤めていたことのある気心の知れたナース(常勤一名)と事務員(非常勤2名)が受けてくれたため、求人広告を出さずにすみ、泌尿器科にとって欠かせないチームワークも磐石の状態でオープンを待つことができた。

「唯一苦労したここと言えば、内装でしょうか。僕が提案した内装コンセプトは、清潔感、機能性、そしてプライバシーの確保。これに基づき、友人の染織作家とメディットに紹介していただいたデザイナーがアイデアを持ち寄り、具体案をまとめていきました。完成までには何回も図面を引き直しましたが、結果的に女性の患者さんがいらしても落ち着ける温かみのある空間に仕上がりとても満足しています」

「レディースデイ」を設け女性患者の受診のハードル下げる

開業から2ヶ月現在、来院患者のうち75%が以前勤めていた市立川崎病院や非常勤講師を務める慶應義塾大学病院から、10%がインターネット上のホームページからで、あとは口コミだ。

「5年前に泌尿器科を開業した先生に聞くと、現在は患者さんの3分の1が内科・婦人科など近隣の先生からの紹介、3分の1がインターネットあるいはイエローページから、そしてあとの3分の1が従来から診ていた患者さんとおっしゃっていました。当初の2ヶ月を見る限り、今後は予想どおりでしょうか」(中村医師)

現在、人件費やテナント料など毎月一定額を固定費として支払っているが、今後の目標として一年以内に一日あたり40名程度の患者さんの来院があれば、経営的には安定するという。なお、従来、泌尿器科は女性に敬遠されがちであるが、同院では木曜日に「レディースデイ」を設け女性の受診のハードルを下げたことで、女性患者数も着実に伸びている。

改めて、中村医師は「開業したことで、何より自分が描いていた泌尿器科専門のオフィスドクターとして第一歩を踏み出すことができ、今とても満足している」と語る。

「幸いなことに市立川崎病院や日本鋼管病院、幸病院をはじめ、半径5km以内に連携をとれる病院が4つもあり、病診連携がスムーズにできます。そしてなにより、この設備とロケーションで、今まで病院にかかっていた患者さんが、このクリニックを受診して安心して笑顔で帰ってくれるのが嬉しいですね。今まで医師として実績と自信を積み重ねてきましたが、そこへタイミングよく絶好のロケーションが現れ、スムーズに開業できて本当にラッキーです。これからも患者さんから信頼される泌尿器科専門のオフィスドクターを目指して、地道に診療をしたいです」

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