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Case Study & Interview

地域に根ざしたクリニックを作る
新たな「縁」を作ってもらった

みたか南口泌尿器科クリニック長尾 慶治 院長

  • 泌尿器科

クリニック開業の背景

2019年4月、東京都三鷹市に「みたか南口泌尿器科クリニック」を開業しました。

開業を考えるようになったのは、50歳を超えたころからです。同僚の先生たちは30代、40代で開業する医師もいますので、年齢的には遅い方かもしれません。

開業は、治療領域が専門的になり、地域の患者さんが中心になります。「携わる分野が狭くなるかな」「同じことの繰り返しになるのではないか」という考えがあり、50歳手前までは開業について考えてこなかったのです。
一方で、新しいことを始めてみたいという気持ちもありました。地域密着の医療とはどういうものか興味がありましたし、経営にも関心がありました。

開業してみると、医師の仕事にはもちろん充実感がありますが、楽しさという点では経営の方が上かもしれません。わからないことや知らなかったことも多いのですが、新たに見聞きすることがたくさんあります。開業前に活動の領域が狭くなるかなと思っていたのですが、実際は逆で、やること、できることが広がったように感じます。

開業場所は、当初は出身地である広島を候補に考えていました。漠然とですが「いつかは故郷に帰る」という考えがあったためです。
ただ、過去に広島で働いたことはなく、開業するにしてもツテがありません。それでは難しいということで、方向転換し、東京で開業することに決めました。

三鷹は、知人の先輩医師がクリニックを開いていましたが、その点を除けばまったく縁がない街でした。メディットの運営会社であるJA三井リースの担当者から三鷹駅前に医療モールが新設されるという情報をいただき、それがきっかけとなって、開業に向けて大きく進展していくことになったのです。

開業準備とメディットの支援

JA三井リースから物件を紹介していただいたのは2018年6月のことでした。三鷹駅前の好立地で、乗降客数が多い郊外の駅は診療科の経営に向いていると感じました。

また、クリニックが入っているビルは3階が医療モールになっています。その点も良いと感じました。当院は三鷹市では初の単科の泌尿器科です。患者さんの中には泌尿器科に出入りすることを恥ずかしいと感じる人もいますので、複数の科が並ぶモールは、そのような心理的な抵抗感を軽減できるのがメリットです。

物件はすぐに決まりましたが、開業に向けた準備は、その後で決めることがたくさんあります。内装ひとつにしてもイメージを固める必要がありますし、導入する機器の選定、スタッフの確保と給与設定なども考えなければなりません。その点で開業支援を活用したのは正解でした。

内装は、泌尿器科の特性上、高齢の患者さんが多いので、落ち着いた雰囲気のデザインにしたいと考えていました。当時はまだ建物が建設中でしたので、図面をみながら担当者と相談を重ねました。
クリニックの基本設計は任せました。診察室2つ、処置室1つ、膀胱鏡の部屋、スタッフ用ロッカールームという仕切りで、広さとしてはちょうどよく、使い勝手にも満足しています。私はそのころ、静岡県内のクリニックに勤務していたため、担当者とメールでやりとりしつつ、打ち合わせのために何度か静岡に来てもらうこともありました。

スタッフについては、当初はどんな人を採用すれば良いかわからなかったのですが、40〜50代で年代を揃え、募集をかけました。給与形態については税理士法人と相談し、相場を聞きながら決めました。
応募者は20名ほど集まり、書類選考を行った上で、1日がかりで面接をしました。現在の体制は、看護師2名、受付のスタッフが3名です。世間的には人手不足の業界があり、スタッフ募集で苦労するという話も聞いていましたので、良い人材が来てくれてよかったと感じます。クリニックが駅から近いことも人が集まりやすかった条件だったのかもしれません。人員規模としても私がイメージしていた通りです。

医療機器は、必要な機器の選択を私が行うとともに、メーカーとの交渉はメディットに担っていただきました。私はメーカーとのやりとりが不慣れですし、とくに価格面の交渉では言いたいことが言えない場合もあります。その点を代行してくれたのは助かりました。

そのような点も含めて、JA三井リースとメディットの担当者にはプロのスキルを感じました。医師側としては初めての開業のケースがほとんどですが、担当者は過去に複数の案件を担当しています。その経験を次に開業する医師にうまくフィードバックし、効果的に支援するという良いサイクルが回っているのだと思います。

開業に向けた不安点は?

開業を意識し始めた頃から、すでに開業している先生たちから話を聞き、課題や注意点などを教えてもらうようにしていました。
その中で1つ気になっていたのは、開業支援の会社はサービスの質にばらつきがあり、相談するだけで高額の報酬を取る悪徳業者のような会社もあるという点でした。
複数の候補があった中で、最終的にJA三井グループに依頼したのも、その点が大きな理由になりました。過去に1000件を超える実績があるとともに、JAと三井という大きなグループの看板を掲げていることに安心感を持ったのです。

開業した感想と今後の目標

開業から半年ほどが経過しました。
経営については知らないことが多く、銀行から融資を受けるところから始まり、あらゆることが初めての経験でした。計画通りに開業にこぎつけられたのも、周囲からの支援があったからだと改めて感じます。

意識面では、従来のように雇われている立場から、スタッフを雇う立場となったことが大きな変化だと感じます。これまでは給与を受け取る側でしたが、今後はしっかりと払っていく責任の重さを実感しています。
そのためには、より多くの患者さんに認知してもらうことが重要です。宣伝方法を考えていく必要もあるでしょう。その効果などを見ながら、患者さんからの支持を獲得していきたいと思っています。

三鷹に開業しようと決めた当初は、縁のない土地で開業することに不安がありました。
しかし、そのことを地域の医師会の先生に話したところ、「過去に縁やゆかりがあるかではなく、君がこの地で開業したことで縁が生まれたんだよ」といっていただきました。非常にありがたい言葉でした。
現在は医師会を通じて、地域の子供や高齢者を対象とするイベント活動に参加したり、異業種の人たちが集う会合などに参加し、交流を深めています。個人的にはクリニックの近くに土地を借り、生まれて初めての野菜づくりも始めました。
場所、環境、一緒に働いてくれるスタッフ、患者さんなど、あらゆる面で新しい人生がスタートしたような気持ちです。
地域の魅力と温かさを噛み締めながら、10年、20年という未来に向けて、地域の方々に信頼されるクリニックを築いていきたいと思っています。

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