開業1年足らずで 予想を上回る患者数を確保

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小児科

大きな組織の歯車になるより開業して患者とじっくり向き合いたい
渡辺文時 院長荒川を越えればすぐに東京都という、都心へのアクセスがよい埼玉県川口市は、近年ファミリー向けのマンションが多く建ち、子育て世代が多く集まる土地として知られている。2009年9月、川口市のJR京浜東北線蕨駅から車で10分の距離にある医療モールに、小児科を標榜する「キッズクリニック川口前川」が新規開業した。

院長は、板橋中央総合病院小児科部長を務めるなど、小児科医として20年の経験をもつ新実了先生。そもそも学生時代から、開業医をしていた祖母の姿に、「いつか自分も」という想いを重ねていたというが、いざ決意したのは大学病院や総合病院での診療を経てからだ。

「大病院にいると、どうしても大きな組織の一部という意識がぬぐえず、教育など診療以外の仕事も増えてきてしまいます。忙しく仕事をするうちに、一人ひとりの患者さんとしっかり向き合い、継続的に診ていける町のお医者さんは自分の理想だなと、日に日に思うようになったんです」

こうして長年の夢だった開業へと、新たな目標を定めた新実先生だが、開業準備にあたっては、クリニックの共同経営者で、千葉県の南柏で小児科医を開業する萩原教文先生から、メディットの開業支援サービスを紹介された。新実院長にとって、萩原院長は大学時代のテニス部の先輩であり、同じ小児科医として30年来の付き合いのある信頼できる存在。萩原先生の紹介ならと、開業支援はメディットに依頼することにした。

地元医との顔つなぎや保育園への挨拶周りなど思わぬ支援に助けられる
待合室・受付さっそくメディットからは、人口動態や年齢構成、周辺環境もとに開業候補地を2つほど提案された。もともと新実院長は初期投資が抑えられる医療モールを希望していたこと、また、出身大学である帝京大学附属病院が近く、土地勘もあったため現在の開業地に決定。隣接地には巨大ショッピングモール「イオンモールキャラ」もあり、若い世代が多く集まることも開業には好条件だった。

このほか、役所への煩雑な申請手続きのサポートや資金調達計画など、開業までにはメディットから様々な支援を受けたが、「なかでも、地元の医師との顔つなぎや、近隣の幼稚園に広報に回ってくれた点はとても助かりました」と、新実院長は振り返る。勤務先で診療をしながらの開業準備だったため、自分一人では気がつかないことも、先回りして提案してくれるため効率よく準備が進められたという。

インフルエンザシーズンを乗り越え今では1日70〜80人の患者数を確保
特別診察室こうして出来上がった「キッズクリニック川口前川」は、子ども目線に立った診療をモットーにしているだけあり、カラフルな色使いが印象的な明るいクリニックとなっている。

「まずは子ども目線に立ち、子どもが怖がらないクリニックにしたいと考えました。診療中も極力難しい表現を避け、子どもやお母さんが理解しやすいような言葉を選ぶよう心がけています。スタッフも子どもが好きな人を採用しましたので、子どもに慣れていてとてもいい雰囲気ですよ」

キッズコーナーインフルエンザワクチンの時期を踏まえ、オープンは9月に設定したが、新型インフルエンザの流行により、12月は1日80〜100人もの患者が押し寄せ、一時は診療機能が回らなくなるほどに。しかし、これを機にクリニックの知名度は一気に広がり、開業から1年近くたった現在、1日の患者数は70〜80人をキープしている。

「開業当初は1年で50人ぐらいまで増やせればいいと考えていましたので、目標を上回る患者数に驚いています」と新実院長。ホームページのアクセス数も順調に伸びており、今では若い母親が携帯やパソコンで検索して来院するケースがほとんどだという。

自分のやりたいことが実現できた今、今後は地域に貢献していきたい
中待合室同じモールに入るクリニックとの関係も良く、「歯科や皮膚科・形成外科とは患者を紹介し合え、CTやMRIを備える脳神経外科には、必要に応じて検査依頼できるというのは、この医療モールならではのメリット」と新実院長は話す。

また、地域では埼玉協同病院や済生会川口総合病院、川口市立医療センターなどが連携し小児夜間救急を行っており、何かあったときは必ず引き受けてくれるため、開業医として大きな安心につながっているという。

学生時代から思い描いていた開業医となった今、新実院長は充足した想いで日々の診療にあたっている。「もちろん責任の重さはありますが、今は診療だけに専念でき、やりたいことをやれているという満足した気持ちでいっぱいです」

今後は地元での講演会や校医なども引き受けながら、地域住民の健康維持に貢献していくことが目標だという。