大学病院で培った専門性と人脈を活かし 肝臓病に対しハイレベルな医療を提供

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内科 ,消化器内科

「時間的・精神的にゆとりがほしい」と59歳で開業を決断

JR常磐線南柏駅は、大型の商業施設や、駅舎と直結するペデストリアンデッキが設けられるなど、近年の駅前再開発が奏功し連日多くの利用者で賑わっている。ここ南柏駅から徒歩2分の距離にある小児科、耳鼻咽喉科、歯科、薬局が入る医療モール内に、2008年4月、肝臓疾患を得意とするふじせ内科クリニックがオープンした。

院長は東京慈恵会医科大学附属柏病院の消化器・肝臓内科教授を開業直前まで務めた藤瀬清隆医師。藤瀬医師は、東京慈恵会医科大学を卒業し基礎研究に五年間没頭したのち、同大学の第一内科に入局。転機が訪れたのは40歳を目前に控えたときだ。東京慈恵会医科大学附属柏病院の開院に伴い、上司の強い誘いで同院に異動となった藤瀬医師は、それ以降、研究から臨床に主軸を移すことになったのだ。

「大学病院特有の人間関係の煩わしさも少なく、非常に働きやすい職場だった」と、藤瀬医師は振り返る。一方、体力的には辛い職場で、毎朝都内の自宅を6時半に出勤し夜12時に帰宅する日も多々あり、平均睡眠時間も4〜5時間あればいいほうだった。

藤瀬清隆 院長
藤瀬清隆 院長

クリニックの受付風景
クリニックの受付風景

「柏病院に移ってからというもの、もう少し時間的に余裕をもって働けたらと常に思っていました。多くの方がそうですが、45歳を過ぎたあたりから、当直するのが体力的に負担になってきたんですね。それに家族との時間ももう少し欲しかった」と藤瀬医師。

父親が歯科医院を開業していたこともあり、開業の道を具体的に考える時期も何度かあり、実際に物件を見に行くこともしていた。しかし、その都度、上層部からの強い引き止めにあい断念。結局20年間柏病院で勤め続け、最終的に消化器・肝臓内科教授まで上り詰めた藤瀬医師は、これが最後のタイミングとばかり、59歳の時点で開業を決意したのだ。


南柏の駅前の明るさに惹かれテナントを一目で気に入る

開業にあたっては、医師の開業を支援するメディットにサポートを依頼することにした。「何かの雑誌を見ていて、たまたま広告が目に入ったのです。早速お会いしてみたところ、担当者の方々の人柄が大変よく、この方たちなら信頼できると思いました。何より、知り合いの後輩が実際にメディットを通して開業し、成功していたのが大きかったですね」と藤瀬医師。

こうしてメディットとの第一回の面談が行われたのは、2006年10月のこと。翌月の11月11日には現地を案内されたところ、訪れたその場で、「開業するならここしかない」と直感的に思ったという。

「そもそも長年柏病院で勤務していたことから、築き上げた人脈を活かすためにも柏周辺での開業は絶対でした。一番気に入ったのは、南柏の街の明るさです。若い方や家族連れで駅前がとても賑わっている。テナントは駅から近いし、エレベーターもある。大きなストアも近いから患者さんが時間を潰すこともできます。診療圏を調査したところ、柏よりも南柏のほうが医療機関の比率が低いというのもあり、これも大きな後押しになりましたね」(藤瀬夫妻)。

当該テナントはクリニックが集う医療モールの一角であるが、藤瀬医師がカバーできない小児科がすでにモール内に入っていたことも、惹かれた理由の一つだという。

待合室
待合室

家賃や人件費等を含めると一日40人が採算ライン

治療室
治療室

一方、物件は順調に決ったものの、院内の内装設計については難航した。柱や水系統の構造上の制約があり、当初希望していた図面どおりには運ばなかったからだ。

「設計については一番時間がかかったでしょうか。結局、大学での残務整理もあり、開業までに1年半の歳月を要しました。そうしたなかで有り難かったのは、契約から約9ヶ月に渡りオーナーさんが家賃を待ってくださったことです。じっくり時間をかけられたぶん、内装も120%満足できるものになりました」(藤瀬医師)

 なお医療機器は、X線診断システム、エコー、自動血球計数CRP測定装置、電子カルテシステム等を導入。資金調達については、松戸の国民生活金融公庫から60歳以上を対象にした「シニア起業家資金」の枠で借り入れることもできた。

当初考えていたより広いスペースを借りることになったので、その分テナント料が上がったが「今になって思えば広く借りて良かった」と振り返る。常勤スタッフは看護師1名と事務員一名。それ以外の人員はパートで賄っており、人件費等を含めると、一日40名の患者が来院すれば採算が合うという。


一日の患者のうち8割が以前からつながりのある患者

開業して約1ヵ月、患者の8割は柏病院のほか、藤瀬医師が定期的に診療を手伝っていた柏市内の病院で診ていた患者で、2割が新規の患者である。「ほとんどが以前からつながりのある患者さんです。その意味でもここで開業したのは大正解だった。当初想定していたよりはいい数字です」と藤瀬医師。

 柏病院との連携体制も万全で、来院した患者で専門的な判断が必要なケースは、柏病院にファックスで専門外来の予約をし、患者評価をしてもらう。そこでクリニックで対応できる範囲と分かれば、再び藤瀬医師の元に患者が戻ってくる。さらに、CT、MRI検査はオンラインでつながっているため、クリニック内の端末に入力するだけで柏病院の検査予約ができ、画像をモニターで確認できるという。今後は病気の内容に応じて、近隣の医療機関とも連携していく予定だ。

 肝臓病のスペシャリストである藤瀬医師だけに、より専門性の高いアドバイスができるのが、ふじせ内科クリニックの強み。現在も他の開業医から、肝臓病の評価をしてほしいと紹介状がくるという。

「大学病院で身に付けた専門性を活かし、一般の開業医の方々よりも少し専門性の高い診療をしたい。もちろん必要であれば大学病院を紹介しますが、その手前でより早く的確な診断ができることが、当院の強みです」と藤瀬医師。一方で、生活習慣病や生活習慣病関連の消化器病の患者なども広く受け入れ、状態に応じて今後の治療方針を指し示していく。これからは約一年かけて軌道にのせ、目標の一日40名までもっていくことが当面の課題だという。

自動血球計数CRP測定装置
自動血球計数CRP測定装置