林脳神経外科メディカルクリニック

カテゴリー:
診察科目:
内科 ,脳神経外科

-阿佐ヶ谷で開業した理由やきっかけは?

最初に開業をしたのは今から10年前で、現在のクリニックから徒歩数分の場所でした。開業に当たっては、場所よりも、敷地面積や、ビルの上階などではなく1階であることなどを重視していましたので、阿佐ヶ谷で開業に至ったのは、さまざまな「偶然」や「タイミング」が重なった結果という側面がありました。

ただ、診察や治療だけではなく、リハビリに特化したデイケアや訪問診療などにも力を入れていきたいという思いが強かったので、港区や渋谷区といった商業的な大都会で開業するというイメージはなく、親子3代に渡って居住されている方が多いような地域で-という考えは漠然とありました。

開業の時点では、医師は自分ひとりでのスタートではあるものの、専門の脳神経外科に加えて内科全般の診療を行いつつ、さらにスポーツジムにあるような器具を備えた、リハビリに特化したデイケアをやりたいと思っていました。

今でこそ珍しくはなくなったのかも知れませんが、10年前の当時は、そういうクリニックは少なく、杉並区では他に1件しかなかったかと思います。そういった展開を叶えるためには、最低でも80~100坪ぐらいの広さは必要だと考えていましたし、リハビリ施設も併設することから「通いやすい1階」が希望だったのです。

林靖人 院長
林靖人 院長

-メディットとパートナーになった理由や経緯は?

開業前は、ドクターの先輩など多くの方々にいろいろな相談をしていて、その中には、三鷹で開業している私の親友もいました。そして、彼自身が開業する際にメディットのお世話になったとのことで、「相談してみたらどうか?」と紹介されたことがメディットとの出会いです。

それから程なくして、メディットから紹介してもらった場所で開業する運びとなりました。阿佐ヶ谷駅から程近く、面積は80坪、しかも新築物件の1階という希望通りの物件であり、阿佐ヶ谷という地域も、私が考えていた医療展開に合っている場所だったと思います。

-最初の場所から移転した理由は?

受付・待合室
総合受付・待合室

開業後、いろいろな面でキャパシティーが広がっていったことが大きな理由です。例えば、早期から往診(訪問診療)にも力を入れるつもりでしたし、外来の患者さまも増えてきたことなどから、医師も自分ひとりでは対応が難しくなり、後輩の脳外科医に副院長として来てもらいました。その後、内科の患者さまも増えてきたので、私以外の内科専門医も必要になり...。

特に当院では、頭痛や偏頭痛も診ているので20代、30代、40代の女性の外来患者さまの増加が顕著でした。偏頭痛の場合は、更年期の問題など婦人科領域が関係していることも多いので、必要な場合には婦人科の先生をご紹介したいのですが、患者さまが通いやすい近隣で、となると、なかなかうまく見つからないケースも増えてきていました。

そういったことも背景にあり、患者さまのほうからも、「本当は先生のところで、いろんなことを完結したい(して欲しい)んです」という声が多く聞かれるようになりました。私としても、開業当初からずっと、「女性外来の必要性」を感じていましたので、患者さまの声に応えるためにも、漠然としていた考えを実行に移す時がきた...というのが、移転に踏み切るひとつの大きなきっかけだったと思います。

マンモグラフィー
マンモグラフィー

男性の医師が診ている女性外来も珍しくはないと思いますが、女性の患者さまからすれば、やはり女医であることのほうが望ましいのだろうとは思っていました。ですが、当院で女性外来を始める以前、女性の患者さまから「エコー検査なども含めて、出来れば全部、女性の技師さんにやってもらいたい」といった要望も聞こえてきていたので、時代的に、医師さえ女性であればいい、わけではないんだな...、すべて女性でという要望も意外に多いんだな...ということも感じていました。

ですから当院の女性外来は、医師も検査技師などのスタッフも全員女性です。女性患者さまだけを対象に女性スタッフのみで対応している女性外来、それが当院の地下フロアになっています。

もとより「開業から10年」という区切りでもありましたし、患者さまの要望に応えられる医療展開を進めていくには、以前の場所(敷地)では手狭になったことから、思い切って移転することにしたわけです。

デイケア・デイサービスのスタッフも含めると、スタッフ数は開業当時の7~8倍に増えていますし、以前のクリニックの敷地が80坪だったのに対して、現在のクリニックは1階と地下の2フロアで総面積300坪くらい。手狭になったから移転...ではあるのですが、別の言い方をすると、開業から10年の間に、クリニックとしてやりたいこと、やるべきことが大きく広がったと言えるのかも知れません。


-移転に当たって重視したことは?

移転に伴っては、「診療所と病院の中間くらいのクリニックにしたい」というイメージを持っていました。設備などに関しては、ある程度、病院等に負けないレベルの装備を整えて、診療所では受けられない検査や診療を可能にすることを重視しました。

また、「なかなか大きな病院へは行きにくい」と思われる婦人科や乳腺外科の検査なども、身近なクリニックでなら20代・30代の女性にもしっかり受けてもらえるのではないか...と。そういった意味でも、女性外来に力を入れることは重要かつ適したことではないかと考えました。

設備の充実化に関しては、開業当時から「スケジュール」を考えていました。CTとMRI、最初から両方あるに越したことはないのですが、投資的リスクや限られた敷地面積の有効活用などを念頭に置き、まずはCTのみに留めておきました。ですが、いずれはMRIも導入するつもりだったので、MRIを設置するスペースを確保するためにも、「最低でも80~100坪ぐらいの広さが必要」と考えていたのです。

内視鏡検査室
内視鏡検査室

MRIを導入するまでの間は、そのスペースをデイケアに利用し、介護系の方々との人脈を作り、訪問診療を広げていくことにも活用していました。ですので、現在の場所に移転する前に、デイケアを別施設(デイサービス)へ分離するといったステップを踏み、そのスペースにMRIを導入しました。

また、「前のクリニックから歩いて数分の場所」だったからこそ、移転に踏み切れたと言えるかも知れません。例えば、ひと駅でもズレてしまう場所だったら、感覚的には近く思えても、実際には、通院できなくなってしまう患者さまも出てしまう...。そう思うと、はたして移転に踏み切れていたかどうか...。

実は、最初に開業したビルも現在のビルも同じ地主さんの所有なのです。この方は、もともとは何代も続いたドクターの家系だったとのことで、最初の開業時から「クリニックの開業に協力したい」とおっしゃってくださっていました。

そして、現在のクリニックの場所(土地)に関しても、「医療に関わることに有効活用したい」と考えておられ、私に対して「先生の機が熟すまで待つ」と、他の申し出などをすべて断り、土地を空けて待っていてくださいました。まるで、「自分の息子がドクターの家系を繋いでくれているのと同じ感覚」で見てくださっているようで、本当に有り難いと思っています。

MRI
MRI装置

-メディットの存在価値は?

診察室
診察室

開業のときも移転に際しても、さまざまな偶然や幸運に恵まれたと思っていますが、大きな決断は、すべてを一人で決めるというのは本当に迷いますし、難しいことです。そんなとき、自分が信頼している相手から、ひとこと「大丈夫だと思いますよ」と言ってもらえると、とても心強いです。私にとってメディットはそういう存在なのです。

10年前の開業時、いろいろな人に相談していましたが、当時は、脳外科医が開業すること自体が珍しくもあったので、実は否定的な意見のほうが多かったのです。ですが、そのとき36歳だった私としては、仮に失敗したとしても再出発できるタイミングとしては最後のチャンスだと思い、やりたいことにチャレンジしたいという気持ちを押し通した形でした。

私がメディットに開業についての相談を始めてから、かなり早い段階で最初の開業地のお話をいただきましたが、正直なところ私自身には、「ここで始めよう!」と決断するに至っての具体的な判断基準があったわけではありませんでした。

ちょうど、地主さんが土地の有効活用を考えて設計会社の方と相談をされ始めた時期だったことや、その設計会社の方がたまたまメディットと縁のある方だったことなど、すべてが偶然にも重なったタイミングだったので、私は本当にラッキーだったのだと思います。

ただ後日談として、メディットからは「上手くいくときというのは"タイミング"が大きく影響するので、即決力や判断力が決め手になることが多いんです。迷っているうちにチャンスを逃してしまう例も多く見てきていますしね。先生の場合、"例え失敗しても再出発できる"という腹のくくり方が推進力を生み、タイミングやチャンスを捉えて活かすことに繋がったのだと思います」ということを言っていただきました。

移転に関しても、「ここで、こんなことがやりたいんだけど」と漠然とした言葉で希望を表現しても、開業以来10年見てきてくれているメディットとなら話が成立するんです。そして、医療モールや開業支援で多くの事例を目にしてきているメディットから、「先生なら出来ると思いますよ」と言ってもらえると、自分の進もうとしている方向性は間違っていないという確信にも繋がります。

メディットの「大丈夫だと思う」「出来ると思う」という言葉は、多くの経験や実績から来る裏づけがあってのことだと思えますからね。さらには、他のクリニックのエッセンスを伝え聞き、気づかされることも多いですし、近隣や同じビルに移転・開業される先生がいるような場合、そういった方々とも繋がりを持っているケースが多く、正直な意見や評価なども聞かせてもらえるので、とても信頼しています。


-今後の目標は?

自分の理想としては、「街づくり」とまで言ってしまうと大袈裟なのですが、当院が少しでも、この地域においての「医療と介護の中心」になっていけたらいいなと思っています。最近では医療モールが増えていますが、大型施設的な縦型の医療モールではなく、街全体が平面的な医療モールというか、そういうエリアになっていくといいんじゃないかと考えています。

自分が展開するか、もしくは、自分の知人や方向性を共有できる先生方に集まっていただいて、地域に必要な各クリニックに同じビル内や隣のビルといった近い場所に入っていただくことで、協力体制を築いていけたら...と。当院の地主さんにも、そういった希望や展望をお伝えしたところ、とても賛同していただけて、すでに周囲にいくつかの土地を確保してくださっているので、近い将来の目標として見据えています。

さらには、医療だけではなく、グループホームのような介護施設も、地域や商店街の中に普通に存在するような街作りができたら、という思いがあります。今現在、医療老人ホームや介護施設というのは全然開放的ではなく、一旦入所してしまうと、地域社会とは完全に隔離されてしまっているところが多いと思いますが、できることなら、例えば認知症がありながらも、地域や商店街の方々の理解を仰ぎながら、一般的な生活を送っていけるような形こそが理想ではないかと思うからです。

外観
医院外観

高齢者が増え、認知症患者も増えていく現代社会において、隣人同士や地域社会の繋がりが希薄になってしまっている東京には、かなりの危機感を感じています。このままでは、医者も施設も今まで以上に足りなくなってしまうのではないかと。だからこそクリニック同士が、ライバルではなく、心身連携できるスムーズな関係を作っていくことが重要であると考えます。

医療だけでなく介護も含めて、ひとりの患者さまをいかに「地域」で診ていくかということは、区や行政で進めるのはなかなか難しいことですし、医療機関が旗振り役をしたほうがいいだろうと思っているので、その部分でどのように自分が役に立てるかということは、次のステップとして考えていきたいと思っています。

今までは診療に追われて時間がなかったのですが、移転を経て少しずつドクターも増えてきているので、もう少し自分の時間が作れるようになったら、次は、そういう啓蒙活動をどうしていくかということがテーマです。それが病院やクリニックの使命だと思いますので、今後は、情報発信なども行って行きたいと考えています。

処置室
処置室